石上神宮


大和盆地の中央東寄り,龍王山の西の麓,布留山の北西麓の高台に鎮座します。飛鳥時代の豪族・物部氏の総氏神で古代より朝廷の崇敬があつく,多くの御神宝を収納しています。

由来

総称して石上大神(いそのかみのおおかみ)と仰がれる御祭神は,第10代崇神天皇7年に現地,石上布留の高庭に祀られました。古典には「石上神宮」「石上振神宮」「石上坐布都御魂神社」等と記され、この他「石上社」「布留社」とも呼ばれていました。平安時代後期,白河天皇は石上神宮をことに崇敬され,現在の拝殿(国宝)は天皇が宮中の神嘉殿を寄進されたものと伝えています。中世に入ると,興福寺の荘園拡大・守護権力の強大化により,布留川を挟み南北二郷からなる布留郷を中心とした氏人は,同寺とたびたび抗争しました。戦国時代に至り,織田尾張勢の乱入により社頭は破却され,壱千石と称した神領も没収され衰微していきました。しかし,氏人たちの力強い信仰に支えられて明治を迎え,神祇の国家管理が行われるに伴い,明治4年官幣大社に列し,同16年には神宮号復称が許されました。

★ 公式ホームページ

散策


坂を登った所にある「石上神宮」の社号標。とても立派です^^


参道の入口に建つ現在の大鳥居は,昭和3年の昭和天皇の御大典を記念して建立されました。すぐ脇には『万葉集』の柿本人麻呂の歌碑があります。


「布都御魂大神」の鳥居扁額。御神体の布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)に宿る神霊とのことです。九州には縁がない神様なので緊張します^^;


石段を登ると社殿が見えてきました。色鮮やかでワクワクします。


手水舎。コロナ対策で柄杓が撤去されています。


重要文化財に指定されている楼門。鎌倉時代末期(1318年)に建立され,明治時代以前は上層に鐘が吊るされ鐘楼門(しょうろうもん)とも呼ばれていました。


1081年,第72代白河天皇が石上神宮の鎮魂祭のために宮中の神嘉殿を移したものと伝えられています。拝殿としては国内最古のもので,国宝に指定されています。


左右には回廊が続き,塗り変えられた朱色が周囲の緑の中でひときわ鮮やかです。


拝殿前にはたくさん絵馬が飾られています。


拝殿右奥には長生殿があります。お寺のような感じでした。


樹齢300年を越える高さ30m前後の杉が数本あります。万葉の時代より「石上布留の神杉」と詠われ,信仰の対象となっています。お賽銭箱があると参りやすいかも。


摂社・出雲建雄神社。草薙剣の荒魂である出雲建雄神が祀られています。


摂社・天神社。禍や穢を改め直してくださる大直日神が祀られています。


約30羽の鶏が迎えてくれます。鶏は古く『古事記』『日本書紀』にも登場し,暁に時を告げる鳥として神聖視され,神様のお使いとされています。

御朱印

御祭神

布都御魂大神

所在地

奈良県天理市布留町384