観世音寺の鎮守社である日吉神社。江戸中期の建築様式を残す太宰府市で最も古い拝殿として,市の文化財に指定され,毎月1回定期清掃が行われています。
由来
7世紀後半の創建と伝えられていますが,史料では大治3年(1128年)に初めて登場します。観世音寺が天台宗と結びついた平安時代に,同寺の鎮守として日吉大社(滋賀県)を分霊し祀ったと考えられています。江戸時代までは「山王社」と呼ばれていましたが,明治初年の神仏分離によって日吉神社となり,観世音寺村の産神として村社に列せられました。天正15年(1587年)島津を討った豊臣秀吉は,安楽寺天満宮に参詣した後,日吉神社に陣を張ったと伝えられています。その時,観世音寺の別当は世事に疎く,秀吉の威光を知らなかったので,乗り物から降りないで秀吉に応対しました。そのため,秀吉は激しく怒り,寺領を百町(約100ha)だけ残し没収したと伝えられています。
散策
入口付近にある案内板
1806年に奉納された鳥居。扁額には「山王宮」とあります。
注連柱を通って進みます。
石段を登ったところに拝殿があります。
手水舎は使われていませんでした。蛇口で手だけでも洗おうと思いましたが水が出ないっ!
拝殿の中の様子
拝殿に飾られた由緒書き。御祭神の大山咋神は近江国の比叡山に鎮まる山の神だそうです。
狛犬様の代わって榊が置いてありました。こういう神社初めてかも~。
拝殿は正面三間,側面二間の入母屋造で正徳4年(1714年)の創建で,市の文化財に指定されています。
本殿は一間社流造で建立時期は17世紀後半。これも市指定文化財です。
樹齢は不明ですが,参道に巨木が立っていました。
御祭神
大山咋神
大己貴神
所在地
福岡県太宰府市観世音寺5-12-2